金光教は神道系の宗派として知られていますが、他の宗派とは異なる独自の特徴を持っています。

特に金光教に参拝しているのに仏壇がある場合も多く、この「仏壇」の扱いについては、多くの方が疑問を持たれることでしょう。

この記事では、金光教における仏壇の位置づけや、葬儀の形式、祭壇の特徴などについて詳しく解説します。

金光教に仏壇はあるの?

結論から言うと、金光教は神道系の宗教であるため、基本的に仏壇ではなく神棚や祭壇を用います

金光教の信仰では、故人は「霊神様(れいじんさま)※50日までは新霊神(しんれいじん)」として祀られ、仏教のように「仏」になるという考え方ではありません。

金光教の葬儀形式も仏教とは異なり、神式(神道式)の葬儀となります。

ただし、一般的な神道の葬儀とも若干異なる特徴があります。

金光教の葬儀と祭壇の特徴

金光教の葬儀における祭壇は基本的に神式ですが、いくつか特徴があります。

  1. 天地書附を奉掲する
  2. 故人が好きだったものをお供えすることが多い
  3. 「神輿」や神様の依り代である「鏡」は置かない
  4. 「水引幕」は特に必要ない
  5. 「三種の神器」は用いない

これらの特徴からわかるように、金光教の祭壇は一般的な神道の祭壇とも異なる独自の形式を持っています。

金光教の供物(祭壇にお供えするもの)については、一定のルールがあります。

米、餅、神酒、魚、乾物、野菜、果実(くだもの)、菓子、塩水が用いられます。

※通称、こめもみさかやかかえん、と覚える場合が多いです。

①米(御饌袋)、②餅、➂神酒(瓶子)、④魚、➄乾物、⑥野菜、⑦果実(くだもの)、⑧菓子、⑨塩水 ⑩予備

⑤ ③ ① ② ④ 上段

⑩ ⑧ ⑥ ⑦ ⑨ 下段

しかし、金光教の教会のやり方や、祭壇の大きさ、供物の有無によって柔軟に変更される場合が多く、特にお葬儀の祭壇においては、生魚や餅は池要されない場合が多いです。

また、乾物でも瓶に入ったものを供物としてお供えする場合は、➄乾物 ⑥乾物(瓶)というようにずれていきます。

お供えものを用意してくださいと言われたら、まずは、お供え物を載せる三方の有無を斎場側に確認をし、その大きさを参考に、乾物、野菜、果物、お米、お神酒などを用紙すれば良いでしょう。

また、故人が好きだった菓子やお酒などをお供えすることも多いので、お供えしたいものだけ用意して祭壇に乗せてもらいましょう。

ただ、ほとんどの場合は教会側で用意される場合が多いので(ご遺族側は忙しすぎて余裕がない場合が多い)、供物については可能な限り教会側にお任せすることが望ましいです。

金光教の葬儀後の祭祀形態

金光教では、葬儀後も故人を「霊神様」として祀ります。一般的な流れは以下の通りです。

  1. 葬儀(終祭・告別式・火葬の儀・葬後霊祭)
  2. 旬日祭(10日祭、20日祭、30日祭、40日祭、50日祭)
    ※10日祭は葬後霊祭に併せて行われる場合が多い
  3. 50日祭で合祀祭と納骨祭を行うことが多い
  4. 式年祭(1年祭、3年祭、5年祭、10年祭、15年祭など)

仏教では「位牌」を用いますが、金光教では故人の「霊璽(れいじ)」を用い、これを教会の霊舎に合祀するのが一般的です。

葬儀の流れについては、以下のページを参考にしてみてください。

金光教の葬儀式の流れと注意点

金光教と他宗教が混在する場合

日本では、先祖代々の墓が仏式である場合も多く、金光教の信者でありながら、お墓は仏式というケースも少なくありません。

こうした場合、両方の宗教の作法を尊重することが大切です。

金光教は他宗を否定せず、柔軟に対応するという特徴があります。

例えば、霊璽(位牌に相当)は金光教の教会に安置し、お骨は先祖代々の仏式のお墓に納めるというケースも当教会ではあります。

お盆の時期には教会に参拝し、お墓にもお花を持って参るという形を取る方も多いです。

まとめ

結論ですが、金光教は神道系の宗教であるため、仏壇ではなく神棚や祭壇を用います。

葬儀も神式で行われますが、一般的な神道の葬儀とも異なる独自の特徴があります。

近年では家族葬が増えてきており、金光教式で家族葬を行うケースも増えています。故人の意思を尊重しつつ、遺族の負担も考慮した形で葬儀や祭祀を行うことが大切です。

金光教の信仰や葬儀について詳しく知りたい方は、最寄りの金光教の教会に相談されることをお勧めします。

このサイトでは、金光教のご葬儀についてよく聞かれる質問に対して、様々な角度から回答していますので、ぜひ参考になさってください。